DENTAL ANXIETY COLUMN
歯科治療が怖くて通えないとき、伝えてほしいこと
「怖い」と伝えることは、わがままではありません。何がどう怖いのかが分かると、こちらが用意できる対応は変わります。
「怖い」の中身は人によって違います
- 痛みそのものが怖い
- 削る音や振動が苦手
- 注射が苦手
- 過去に痛い思いをした記憶がある
- 口を開け続けているのがつらい
- 器具が入ると吐き気が出る(嘔吐反射)
- 自分の意思で中断できないことが不安
同じ「怖い」でも、原因が違えば対応も変わります。音が苦手な方と嘔吐反射が強い方では、必要な配慮がまったく異なります。
受診前・受診時に伝えていただきたいこと
予約のお電話や問診票の段階で、苦手なこと、過去につらかった経験、途中で気分が悪くなったことがあるかをお知らせください。治療中に「手を挙げたら止める」といった合図を決めておくこともできます。何も言わずに我慢していただくのが、いちばん避けたい形です。
鎮静法という選択肢
不安や嘔吐反射が強い方には、笑気吸入鎮静法や静脈内鎮静法をご案内できる場合があります。笑気吸入鎮静法は鼻から低濃度のガスを吸入する方法で、注射を伴わず、短時間の処置に向いています。静脈内鎮静法は点滴から鎮静薬を投与し、うとうとした状態で治療を受けていただく方法です。いずれも保険診療で行っており、保険適用外での実施は行っていません。
すべての方に行うものではありません
鎮静法は、希望すれば必ず行えるというものではありません。持病、服用中の薬、当日の体調、治療の内容、帰宅方法などを確認したうえで、適応を慎重に判断します。適さないと判断した場合は、その理由と、ほかにどのような配慮ができるかをご説明します。
静脈内鎮静法を受ける場合の注意
- 指示した時間からの飲食制限を守っていただきます
- 当日はご自身での運転ができません。付き添いの方または公共交通機関でお帰りください
- 持病、服用薬、アレルギーは事前にすべてお知らせください
- 体調によっては当日に延期を判断することがあります
しばらく歯科に行けていない方へ
間が空いてしまったことを責めることはありません。長く受診できずにいた理由そのものが、これから配慮すべき情報になります。まずは相談だけでも構いません。その日に処置をせず、話を伺って今の状態を確認するだけの受診も可能です。
歯科医師監修・内容確認日:2026-08-20 監修:院長 山田 聡(歯学博士)